valence
この単語は、主に化学と心理学という全く異なる二つの専門分野で使用される学術的な用語です。日常会話で使われることは稀であり、文脈によって意味が大きく異なります。
専門分野による意味の使い分け
化学の文脈では、原子が他の原子と結合する能力を示す原子価を指します。これは電子の配置に基づいた物理的な結合能力を意味します。一方で、心理学や行動科学の文脈では、ある刺激や出来事が持つ快・不快や正・負の感情的な価値、すなわち価数を指します。例えば、報酬は正の価数を持ち、罰は負の価数を持つと表現されます。
positive valence: 正の価数(快い、惹きつけられる性質)
negative valence: 負の価数(不快な、忌避される性質)
翻訳上の注意点
日本語では、化学的な意味では原子価、心理学的な意味では価数や感情価と訳し分けるのが一般的です。英語の valence をそのままカタカナでバレンスと表記することは専門書以外ではほとんどありません。また、似た綴りの value(価値)と混同しやすいため注意してください。value が一般的な価値や数値を指すのに対し、valence は特定の方向性(正か負か)や結合能力という、より限定的な科学的概念を指します。
文法的な特徴
基本的には不可算名詞として扱われますが、特定の数値や種類を指す場合には可算名詞として扱われることがあります。専門的な記述においては、形容詞を伴ってその性質(正か負か、あるいは特定の数値か)を具体的に示す形式で頻繁に用いられます。
Countable when referring to a specific chemical value (a valence of four). Uncountable when discussing the general emotional quality of a stimulus (the valence of the experience).
意味
最外殻にある電子の数によって決定される、元素の結合能力
The carbon atom has a valence of four.
炭素原子の原子価は4である。
出来事や物体、あるいは状況が本来に持つ、惹きつけられる性質または忌避される性質
The positive valence of the reward encouraged the rat to repeat the action.
報酬の正の価数が、ラットにその行動を繰り返させる要因となった。
例文
The carbon atom has a valence of four.
炭素原子の原子価は4である。
The positive valence of the reward encouraged the rat to repeat the action.
報酬の正の価数が、ラットにその行動を繰り返させる要因となった。