thou
thouは、現代英語ではほぼ使われなくなった古風な二人称単数主格代名詞です。現代の you が単数・複数を区別せず、また親密さに関わらず使われるのに対し、かつての英語では thou は親しい間柄や、目下の人、あるいは神に対して使われる非常に親密な、あるいは謙譲的な表現でした。
現代の学習者がこの単語に触れる機会は、主にシェイクスピアの劇作や、聖書(キング・ジェームズ版など)のような古典文学、あるいは宗教的な祈祷文に限られます。そのため、日常会話で使うと極めて不自然であり、意図的に古風な雰囲気や荘厳さを演出する場合にのみ用いられます。
文法的な変化と活用thou を使用する場合、それに続く動詞の活用も現代英語とは異なります。特に、動詞の語尾に -est や -st が付く形式が一般的です。
例: thou art (現代の you are に相当)
例: thou hast (現代の you have に相当)
例: thou goest (現代の you go に相当)
また、主格の thou に対し、目的格は thee、所有格は thy または thine と使い分けられます。これらはセットで覚える必要があります。
翻訳上の注意点
日本語に翻訳する場合、文脈によって汝 お前 あなたなどと訳し分けられますが、古典的な文脈では汝という訳語が最も一般的です。これは、現代の you が持つ汎用的なニュアンスではなく、特定の時代背景や宗教的な権威、あるいは深い親愛の情を含んでいるためです。
正しい用法(古典的文脈): Thou art my best friend. (汝は私の最良の友である。)
不自然な用法(現代の日常会話): 友人とカフェで話している時に thou を使うと、演劇の台詞を喋っているかのように聞こえ、相手を困惑させる可能性があります。
意味
古風な二人称単数主格代名詞
Thou art my best friend.
汝は私の最良の友である。