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martensite

マルテンサイト
名詞

martensiteは、主に鉄鋼材料の熱処理において極めて重要な役割を果たす相です。高温の状態であるオーステナイトを急冷(クエンチング)することで、炭素原子が結晶格子内に閉じ込められ、拡散が抑制された状態で形成されます。このプロセスにより、非常に高い硬度と強度が得られますが、同時に脆さ(脆性)も増すため、実用的な部品にするには通常、その後に戻しと呼ばれる加熱処理を行い、靭性を調整します。

材料特性と結晶構造

martensiteの最大の特徴は、その特有の結晶構造にあります。通常の鉄の構造とは異なり、体心正方晶という歪んだ構造を持つため、内部に強い応力が蓄積されており、これが極めて高い硬度の要因となります。このため、ナイフの刃先や工具鋼など、摩耗に強く、鋭い切断能力が求められる製品に不可欠な状態です。

他の相との比較

pearlitebainiteといった他の組織との決定的な違いは、その生成メカニズムにあります。pearliteなどは炭素がゆっくりと拡散して層状に分離しますが、martensiteは拡散を伴わないせん断変形によって瞬時に生成されます。そのため、冷却速度が不十分な場合はmartensiteにならず、期待される硬度が得られないことがあります。

意味

名詞マルテンサイト

オーステナイトを急冷させることで生成される、非常に硬く脆い鋼の形態であり、体心正方晶の結晶構造を持つこと

The quenching process transforms the austenite into martensite to increase the hardness of the blade.

焼入れ工程により、オーステナイトがマルテンサイトに変化し、刃の硬度が高まる。

関連語

Last Updated: July 7, 2026Report an Error