ergative
言語学における ergative は、文法構造の根本的な違いを指す専門的な概念です。一般的な言語(日本語や英語など)では、自動詞の主語と他動詞の主語を同じように扱いますが、能格構造を持つ言語では、他動詞の主語を特別な格(能格)で表し、自動詞の主語と他動詞の目的語を同じグループ(絶対格)として扱います。
主格対格構造との対比
多くの学習者が慣れ親しんでいるのは nominative-accusative(主格・対格)構造です。この構造では、私が走るの私と私が本を読むの私はどちらも主格として同一に扱われます。しかし、ergative な構造では、後者の私だけが能格となり、前者の私は目的語と同じ絶対格として扱われるという、非常にユニークな論理に基づいています。
概念的な理解のポイント
この概念を理解する際は、単なる格付けではなく、誰が動作を行ったかよりも誰がその状態にあるかという視点に重点が置かれていると考えると分かりやすくなります。
nominative-accusative:動作の主体(主語)を重視する
ergative-absolutive:動作の影響を受ける対象や、単独の状態にある主体を重視する
このような構造は、バスク語やマヤ諸語などの特定の言語群に見られる特徴であり、言語学的な多様性を理解する上で重要なキーワードとなります。
意味
自動詞の主語が他動詞の目的語と同じように扱われる言語に関する、またはそれを表す状態
The ergative case is a distinctive feature of many Caucasian languages.
能格格は、多くのコーカサス諸語の顕著な特徴である。
主格・対格構造ではなく、能格・絶対格構造を用いる言語
While English is a nominative-accusative language, Basque is a well-known ergative.
英語が主格・対格言語であるのに対し、バスク語はよく知られた能格言語である。