steal
steal は単に物を盗むという物理的な行為だけでなく、注目や視線、あるいはチャンスを奪うという比喩的な意味で幅広く使われます。日本語では文脈によって盗む 忍び寄る 独占する 盗み見るなど、全く異なる訳語が当てはまるため、状況に応じた使い分けが重要です。
意味の広がりと使い分け
物理的に他人の所有物を奪う場合は、日本語の盗むに相当します。一方で、誰にも気づかれないように静かに移動する動作は忍び寄ると訳されます。また、会話や舞台などで、本来の主役よりも注目を集めてしまった場合に steal the show や steal the spotlight という表現を使いますが、これは独占するや主役を食うというニュアンスになります。
さらに、視線に関する表現として、チラリと見る、あるいは隠れて見る動作は盗み見ると表現されます。このように、steal の核心にあるのは本来あるべき場所から、密かに、あるいは強引に何かを奪い取るという感覚です。
類義語との違いrob と混同されやすいですが、この二つには明確な視点の違いがあります。steal は盗まれた物(物)に焦点が当たりますが、rob は奪われた人や場所(被害者)に焦点が当たります。
❌ rob a wallet (財布を強奪するとは言わず、物は steal します)
⭕ steal a wallet (財布を盗む)
⭕ rob a bank (銀行という場所から奪う)
⭕ rob a person (人から奪う)
注意すべき表現
日本語の盗むには、比喩的に時間を盗む(時間をやりくりする)といった表現がありますが、英語の steal a moment は(忙しい中で)短い時間を無理に作るという意味になります。また、steal a glance は(相手に気づかれないように)ちらりと盗み見るという非常に限定的な動作を指します。
意味
自分のものにする意図を持って、他人の所有物を許可なく、または法的権利なく奪う
He tried to steal a watch from the store.
彼は店から時計を盗もうとした。
見られたり聞かれたりしないように、静かに密かに移動する
The cat began to steal across the room toward the bird.
猫が鳥に向かって部屋の中を忍び寄り始めた。
他の誰よりも注目を集める、または本来の主役から関心を奪う
The young actress managed to steal the show with her performance.
その若手女優は演技で主役を食った。
何かを密かに、あるいは素早く見る
She tried to steal a glance at her partner's exam paper.
彼女はパートナーの試験用紙を盗み見ようとした。