metabolome
metabolomeは、ある特定の時点における生物学的試料に含まれるすべての低分子代謝物の総体を指します。これは、ゲノム(全遺伝情報)やプロテオーム(全タンパク質)と同様に、生物の状態を包括的に把握するためのオーム解析の一環として用いられる概念です。代謝物は環境や食事、疾患などの外部要因によってダイナミックに変動するため、現在の生物学的状態を最も直接的に反映する指標であると考えられています。
ゲノムやプロテオームとの関係性metabolomeは、遺伝子(genome)から転写されたRNA(transcriptome)、そして翻訳されたタンパク質(proteome)という一連の流れの最終産物である代謝物を分析対象とします。そのため、遺伝的な設計図だけでは分からない、実際の細胞内での化学反応の結果や、表現型としての実態を明らかにすることが可能です。
genome:不変的な設計図(何が起こり得るか)
proteome:実行部隊(何が起こっているか)
metabolome:最終的な結果(実際に何が起こったか)
分析における重要性と応用
この概念を用いたメタボローム解析は、特に疾患の診断や創薬研究において極めて重要です。特定の疾患に伴って変動する代謝物のパターンを特定することで、疾患特有のバイオマーカーを発見し、早期診断や治療効果の判定に役立てることができます。また、栄養学や薬理学の分野では、摂取した物質が体内でどのように代謝され、どのような影響を及ぼすかを詳細に追跡するために活用されています。
意味
細胞、組織、または生物などの生物学的試料内に存在する低分子代謝物の全集合のこと
Researchers analyzed the metabolome of the liver to identify biomarkers for metabolic disease.
研究者は、代謝性疾患のバイオマーカーを特定するために、肝臓のメタボロームを分析した。