retardation
retardationは、物理的な速度の低下や化学反応の抑制、あるいは医学的な文脈での認知機能の障害など、非常に異なる分野で使われる単語です。日本語では文脈によって減速 遅延 知的障害と訳し分けられますが、使用する場面には細心の注意が必要です。
文脈による意味の使い分け
物理学や工学の分野では、物体の速度を落とすことや、進行を遅らせることを指して減速や遅延として使われます。例えば、航空機の速度を制御する場合や、化学物質の反応速度を意図的に下げる場合などに用いられます。
一方で、医学や心理学の文脈では、かつては認知機能の障害を指す臨床用語として知的障害の意味で使われていました。しかし、現代の英語圏ではこの用法は極めて不適切であり、差別的なニュアンスを含むため、臨床現場や日常会話で使われることはほぼありません。現代では intellectual disability という表現が標準的です。
誤用への注意と代替表現
特に注意すべきは、名詞形の retardation だけでなく、形容詞・動詞的に使われる retard という言葉です。これを人に対して使うことは、非常に強い侮辱や差別的な攻撃(スラングとしての知的障害者)と見なされます。たとえ医学的な意図があったとしても、現代の英語では絶対に避けるべき表現です。
❌ He has mental retardation. (非常に古く、現在は不適切で差別的とされる表現です)
✅ He has an intellectual disability. (現代的で適切な表現です)
物理的・化学的な用法
技術的な文脈では、依然として有効な単語です。例えば、炎の広がりを遅らせる難燃剤を fire retardant と呼ぶように、物理的なプロセスを抑制する意味では日常的に使用されています。
flame retardation (難燃・延焼防止)
retardation of the reaction (反応の遅延)
Countable when referring to specific instances of slowing, such as different types of flame retardation. Uncountable when referring to the general physical phenomenon of deceleration.
意味
物事の進行や速度を遅らせる行為
The application of the brakes caused a rapid retardation of the vehicle.
ブレーキをかけたことで、車両が急激に減速した。
化学反応や物理的プロセスの速度が低下すること
The presence of an inhibitor leads to the retardation of the curing process.
抑制剤が存在することで、硬化プロセスの遅延が起こる。
認知機能の障害を指す歴史的な臨床用語
The patient was diagnosed with mental retardation in the 1960s.
その患者は1960年代に知的障害と診断された。