signifier
言語学や記号論における専門用語であり、ある概念や意味を伝えるための形態や表現そのものを指します。例えば、ある物体を指して apple という音を出したり、紙に apple と書き込んだりした場合、その音や文字という物理的な形が signifier にあたります。対照的に、その形によって頭に浮かぶリンゴという果物という概念は signified(所記)と呼ばれます。
概念的な使い分け
一般的に sign(記号)は、この signifier(能記)と signified(所記)が組み合わさった全体を指します。日本語ではどちらもしるしやサインと訳されることがありますが、学術的な文脈では、物理的な側面(音、文字、画像)を指すのか、それによって喚起される意味内容を指すのかを厳格に区別します。
物理的な形態: signifier(例:赤い八角形の標識という形)
意味される内容: signified(例:止まれという命令の意味)
翻訳上の注意点
この単語を日常的な文脈で合図や兆候という意味で使う場合は、単に sign や indicator と表現するのが一般的です。signifier はあくまで意味を運ぶ器としての形態に注目した表現であるため、日常会話で使うと非常に理屈っぽく、あるいは学術的に聞こえる傾向があります。
❌ 日常的な合図として: \He is a signifier of the start of the game.\(彼は試合開始の合図だ)
✅ 正しい表現: \He is the signal for the start of the game.\
文法的な特徴
可算名詞として扱われます。特定の理論や文脈において、複数の異なる表現形態を論じる場合は複数形の signifiers が使用されます。
意味
特定の概念や意味を表す、音、言葉、画像などの記号の形態
The written word apple is the signifier for the actual fruit.
書き言葉の`apple`は、実際の果物を指す能記である。