ゲームナイトの幹事をしているあなた。グループチャットは、誰が何をするかでごちゃごちゃです。そんな中、誰かがこうメッセージを送ってきました。I'll take the good snacks(美味しいお菓子を持っていくよ)。
この一文に、妙な違和感を感じませんか? なんか変ですよね。頭の中では、I'll bring the good snacks(美味しいお菓子を持っていくよ)って来るのを期待してたはず。
なぜでしょう?
ほとんどの参考書には、「bringは『話者の方へ』の動き、takeは『話者から離れる』動き」って書いてありますよね。これは間違いじゃないけど、正直つまらないし、全然ピンと来ない説明なんです。
本当の違いは文法じゃありません。視点の問題なんです。その瞬間の「世界の中心」が誰なのか、そこがポイント。
bringを使うのは、GPSの目的地を設定するようなもの。特定の終点、つまり「ここに、私と一緒に」という場所を示唆します。この動詞のエネルギーは、まるで磁石のように、何かを話者の現在地(あるいは未来の場所)へグッと引き寄せるんです。
一方、takeは出発がテーマ。ある地点Aから、どこか漠然とした地点B、C、Zへ何かを移動させること。焦点は「出発」であって、「到着」じゃないんです。
磁石の引力
シンプルに考えましょう。bringは目的地を設定するんです。
Can you bring me my coffee?
コーヒーを持ってきてくれますか?
She decided to bring her new boyfriend to the party.
彼女は新しい彼氏をパーティーに連れてくることにした。
「Bring」がアイデアを運ぶとき - モノだけじゃない引力
ここから、この動詞がさらに面白くなります。「磁石の引力」は物理的なものだけに働くわけじゃないんです。アイデアや問題、感情にも作用するんですよ。
bring upのような句動詞の背後にあるロジックもこれです。ある話題を bring up(持ち出す)とき、あなたは静かだった背景から、そのアイデアを会話の中心へと引き出しているんです。
I hate to bring this up, but you still owe me for dinner.
こんなこと言いたくないんですけど、まだ夕食代を貸したままですよね。
この表現は、相手に言いにくいことを切り出すときの定番フレーズです。相手との関係性によっては、少し気まずい雰囲気を作ることもありますが、言わなければならないことを伝える際に使われます。
His new management style brought about a lot of positive changes.
彼の新しい経営スタイルは、多くの良い変化をもたらしました。
「あなた」という重力
ここからが本質です。bringとtakeのどちらを選ぶかは、物語の「重力中心」を無意識に設定する行為なんです。
bringを使うとき、あなたは自分自身、自分の場所、または自分のイベントを、その文の宇宙の中心に置いているんです。全てが「あなたとの関係において」動きます。例えば、Please bring your report to my office(私のオフィスにレポートを持ってきてください)と言えば、「私のオフィス」が太陽で、レポートはその軌道に引き寄せられる惑星、という構図が生まれます。
一方、takeを使うときは、自分を外への旅の出発点として位置づけます。Please take this report to the legal department(このレポートを法務部に持っていってください)は、レポートがあなたの軌道を離れ、全く別の太陽系へ向かっていることを意味するんです。
これを理解することは、ただ自然に聞こえるだけじゃありません。瞬時に相手の視点を解読することにもつながります。「この人の物語の主人公は誰なんだろう?」って思ったとき、bringを使うかtakeを使うかを聞けば、それがわかるんです。
bringは目的地を明らかにする。
takeは出発を明らかにする。
これだけ。これが、この動詞を使いこなすための裏ワザの全てです。
黄金ルール : もし行動が、その物語の主人公や中心となる場所へ向かうなら、bringを使う。そこから離れていくなら、takeを使う。
関連語彙の完全なリストを見る
Don't bring up politics at dinner.
夕食の席で政治の話を持ち出さないでください。
The new CEO brought about major reforms.
新しいCEOは大きな改革をもたらしました。
The stress brought on a headache. / You want a challenge? Bring it on!
ストレスで頭痛がしました。/ 挑戦したいって?かかってこい!
Please bring down that box from the top shelf. / The bad news really brought her down.
その箱を一番上の棚から下ろしてください。/ その悪い知らせは本当に彼女を落ち込ませました。
Can you bring back my book tomorrow? / That song brings back so many memories.
明日、私の本を返してくれますか?/ あの歌はたくさんの思い出を蘇らせます。
They want to bring in a consultant. / He brings in over $100,000 a year.
彼らはコンサルタントを招き入れたがっています。/ 彼は年に10万ドル以上稼ぎます。