ドライブを始めて3時間。車がなんだか狭く感じます。プレイリストも飽きてきました。助手席の友達はスマホを見つめながら、「近道を知ってる」と言い張ります。GPSは冷静で理路整然とした声で、「幹線道路を走り続けてください」と指示しています。
彼が Just trust me, it cuts off twenty minutes,(俺を信じて、20分は短縮できるから) と言うんです。彼が間違っているのは、きっと分かっています。このまま進めば、二人とも未舗装の道で立ち往生するだろう、ということも。でも、言い争う方が運転よりも疲れます。
あなたはため息をつき、ウインカーを出し、高速道路を降ります。まさに gave in(降参した)瞬間です。
動詞の give はシンプルです。何かを「渡す」という意味ですね。でも、これに in、up、away といった小さな単語が加わると、物理的なモノのやり取りではなくなります。権力、希望、情報といったものの「譲渡」を意味するようになるんです。これら3つの句動詞は、「降伏」の言葉、つまり降参する時に使う表現なんです。
まずは give in から見ていきましょう。これは、他人のプレッシャーに屈すること。いわば「社会的な敗北」です。誰かに押されて、自分の立場を諦めてしまうイメージですね。
さて、ここで視点を変えてみましょう。もし、相手が人ではなく「状況」だったらどうでしょう?そんな時に使うのが give up です。タスク、夢、挑戦などを give up(諦める)する。あなたと世界との戦いで、世界が勝った、というイメージです。
この違いは、些細に見えても実は重要です。車の中で友達の意見に give in(屈する)ことはありますよね。でも、もしその近道でガス欠になってしまったら、その日のうちに目的地に着くのを give up(諦める)ことになるかもしれません。
そして、3つ目の「降伏」の形が give away です。これは戦いに負けることではありません。情報のコントロールを失うこと。秘密、サプライズ、本当の気持ちなどを、うっかり give away(漏らしてしまう)という状況で使います。
サプライズパーティーは、欧米の文化でよく見られる習慣です。本人に内緒でこっそりお祝いを企画するのが目的ですね。
ラスボス : 降伏の方向性
これらの言葉を「方向」で考えてみてください。Give in は「内側への崩壊」です。外からのプレッシャーが強すぎて、あなたの防御が内側に崩れていくイメージ。相手の意思を自分の領域に「入れてしまう」わけです。
Give up は「上への解放」です。両手を空に上げるのを想像してみてください。挑戦、宇宙、不可能なタスクなど、自分よりも大きくて高い力に降参しているんです。あなたのエネルギーが up(上へ)と外へ向かっていくイメージです。
Give away は「外への移動」です。秘密は、あなたが大切にしまっておくものですよね。それを give it away(手放す)と、秘密はあなたの手から離れて、誰か別の人の元へ away(遠くへ)飛んでいってしまいます。情報の所有権を失ってしまった、ということです。
黄金ルール : 話す前に、自分が何に降参しているのか、自問自答してみてください。それは人に対して(in)ですか? 困難な課題に対して(up)ですか? それとも秘密を(away)ですか? 降参する「方向」が、使うべき単語を教えてくれます。
I didn't want to go, but I gave in to my friends.
行きたくなかったのですが、友達に押し切られました。
He gave up learning guitar after only two weeks.
彼はたった2週間でギターの練習を諦めてしまいました。
Her nervous laugh gave away the fact that she was lying.
彼女の緊張した笑いが、嘘をついていることをバラしてしまいました。
The manager refused for days, but finally caved in and approved the budget.
部長は何日も拒否していましたが、ついに折れて予算を承認しました。
After losing the file for the third time, the designer threw in the towel and started over.
3度目のファイル紛失後、デザイナーはついに降参して最初からやり直しました。
Don't let on that you know about the gift.
その贈り物のことを知っていると、バラさないでくださいね。