インスタをスクロールしていると、昔の知り合いのストーリーが目に飛び込んできます。懐かしい、あの人です。新しい誰かと一緒に写っています。
すると、あなたの脳内で自動的に思考が始まります。I shouldn't have ended things(別れるべきじゃなかった) とか。あるいは、He must have met her ages ago(彼はずいぶん前に彼女と出会っていたに違いない) とか。もしかしたら、We could have been happy(私たちなら幸せになれたはずなのに) と思うかもしれません。
これは単なる文法の話ではありません。これは、あなたが「今」の感情で過去を塗り替えている瞬間なんです。
ほとんどの参考書や教科書では、should have、must have、could have といったフレーズを「助動詞+have+動詞の過去分詞形」という単純なルールとして教えています。これは技術的には正しいのですが、本質を全く捉えていません。
これらのフレーズは、何が起こったか を説明するためのものではありません。何が起こったかについて、今、あなたが自分に語りかける物語 なんです。あなたの記憶に対する感情的なフィルター、とでも言いましょうか。
3つのタイムライン
この文法は、過去の出来事に対して、3つのパラレルワールドから1つを選ぶようなものだと考えてみてください。
- 後悔と批判の宇宙 (
should have)
これは、「もっと良い選択肢があった」というタイムラインです。should haveは、自分自身や誰かの間違いを指摘するときに使います。批判や失望の言葉ですね。
I should have studied more for the exam.
試験のためにもっと勉強しておくべきでした。
You shouldn't have posted that photo without asking me.
私に聞かずにあの写真を投稿すべきではありませんでした。
友達との写真でも、相手に確認せずにSNSに投稿するのはNGですよね。特に日本では、相手の許可を得てから投稿するのがマナーとされています。
- 論理的な推測の宇宙 (
must have/can't have)
これは探偵のタイムラインです。現在の手がかりがあって、それに基づいて過去について強い推測をしています。Must haveは95%の確信がある場合。Can't haveは95%のあり得なさがある場合に使います。
The package isn't here. The delivery driver must have left it with a neighbor.
荷物がありません。配達員が隣人に預けたに違いありません。
She didn't wave back. She can't have seen me.
彼女は手を振り返してくれませんでした。私が見えなかったに違いありません。
We could have moved to another city, but we decided to stay.
私たちは別の都市に引っ越すこともできたのですが、ここに留まることにしました。
Be careful with that vase. I might have broken it.
その花瓶に気をつけてください。私が割ってしまったかもしれません。
感情のタイムトラベル
ここが深いポイントです。この文法は、出来事 と 解釈 を切り離しているんです。
出来事とは、過去に固定された、動かないものです。The relationship ended(関係が終わった)。I failed the test(試験に落ちた)。He didn't get the job(彼は仕事を得られなかった)。これらは事実です。そこには感情はありません。
should have、must have、could have といったフレーズは、あなたの現在の感情(後悔、確信、好奇心など)を、過去に注入するためのツールなんです。あなたは感情的なタイムトラベルをしているわけですね。
誰かが I should have tried harder(もっと頑張るべきだった) と言うとき、彼らは過去を説明しているのではありません。過去に対する現在の悲しみ を説明しているのです。
友達が He must have been having a bad day(彼はきっと嫌な日だったに違いない) と言うとき、彼らは探偵ではありません。現在、慰めを提供するために論理を使っているのです。
これは、英語の感情表現ツールキットの中でも、最も強力な機能の一つです。事実としての過去と、その上に重ねる感情的な物語 - この2つのタイムラインを同時に生きることを可能にしてくれます。
とっておきの秘訣 : この文法が使われているか、耳を傾けてみてください。それを聞いたら、過去の事実を聞き取るのをやめてください。代わりに、話している人が今、まさに感じている感情に耳を傾けてください。何が起こったかではなく、それについてどう感じているのかが分かります。そして、それこそがたいていの場合、より重要なことなのです。
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I `should have called` my parents more often.
両親にもっと頻繁に電話をかけるべきでした。
You `shouldn't have said` that to her.
彼女にそんなことを言うべきではありませんでした。
He's not answering his phone. He `must have silenced` it.
彼は電話に出ません。きっとサイレントモードにしているに違いありません。
She `can't have finished` the whole report already.
彼女がもうレポート全部を終えたはずがありません。
We `could have taken` the train, but we drove instead.
私たちは電車に乗ることもできましたが、代わりに車で行きました。
I don't know where my keys are. I `might have left` them at the cafe.
鍵がどこにあるか分かりません。カフェに置き忘れたかもしれません。
If I had known you were coming, I `would have baked` a cake.
もしあなたが来ることを知っていたら、ケーキを焼いたでしょう。