語学アプリから通知が届きます。がっかりした顔のフクロウのキャラクターが、「Your 42-day streak is in danger!(42日連続の学習記録が途切れそう!)」、「Keep the flame alive!(この炎を絶やさないで!)」と訴えかけてきます。
あなたは通知を閉じ、後でやろう、と思います。
ほとんどの参考書には、keep は「何かを持ち続ける、所有し続ける」という意味だと書いてあります。それは間違ってはいませんが、スマホを「電話をかけるための道具」と説明するようなもの。全然本質を捉えていませんよね。
動詞 keep は、所有を表す動詞ではありません。それは「抵抗」なんです。何かが変化したり、劣化したり、止まったりするのを食い止めるために使うエネルギー。物事の自然な流れに逆らう戦い、それが keep の本質です。
一番基本的なパターンは keep + [動詞]-ing です。これは、ある「行動」を時間とともに維持すること。しかも、何らかの抵抗に逆らって。その抵抗が、ただの自分の「めんどくさい」気持ちだったとしても、です。
My ex keeps watching my Instagram stories.
元カレが私のインスタのストーリーをずっと見ているんです。
日本でも、別れた相手がSNSをチェックし続けるのは「まだ未練があるのかな?」とか「ちょっと怖いな」と感じる人が多いですよね。この `keep` は、そんな「しつこさ」や「やめてほしいのに続く」ニュアンスをしっかり伝えてくれます。
Just keep practicing, and you'll get better.
練習し続ければ、もっと上手になりますよ。
Can you keep my drink cold while I go to the bathroom?
私がトイレに行っている間、飲み物を冷たくしておいてもらえますか?
I'm sorry, my friend is going through a lot. I promised I'd keep her company.
ごめんなさい、友達が大変な時期なので、一緒にいてあげるって約束したんです。
「Keep」の持つ「重み」
じゃあ、その秘密って何でしょう? Keep は「現状維持」の動詞なんです。宇宙のデフォルト設定、つまり「変化」「劣化」「離れていくこと」に抗うエンジン。誰かが keep を使うのを聞いたら、それは静かな努力の「うなり」を聞いているのと同じ。流れに逆らって、何かをその場に留めようとしている音なんです。
だからこそ、Sorry to keep you waiting(お待たせしてすみません)は、ただの Sorry you had to wait(待たせてしまってすみません)よりも、ずっと丁寧な印象を与えるんです。前者は、話し手自身が、相手を「待っている」状態に留めていた「能動的な力」だったことを認めています。つまり、責任を負っているんです。後者は、単なる状況の観察に過ぎません。一方は力を加えたことへの謝罪で、もう一方は状況に対する謝罪、という違いですね。
黄金律はこれです。Keep は決して受動的ではありません。時間がその役割を果たすのを止めるために、意識的にエネルギーを投入する決断なんです。あなたが keeping a secret(秘密を守る)ときも、keeping in touch(旧友と連絡を取り続ける)ときも、あるいはただ keep your plants alive(植物を生かし続ける)ときも、あなたは小さな、でも崇高な流れに逆らう戦いの中にいるんです。
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`I can't keep up with all the new shows on Netflix.`
Netflixの新しい番組、全部は追いつけません。
`Even though it was difficult, she kept on trying.`
困難だったにもかかわらず、彼女は挑戦し続けました。
`I had to hold my hand over my mouth to keep from laughing.`
笑いをこらえるために、口に手を当てなければなりませんでした。
`Let's keep in touch after you move.`
引っ越した後も連絡を取り合いましょう。
`The sign on the door said "Keep Out".`
ドアの看板には「立ち入り禁止」と書かれていました。
`Keep away from the edge of the cliff.`
崖の端から離れてください。
`He's very quiet and tends to keep to himself.`
彼はとても静かで、一人でいることを好みます。