インスタのストーリーを見ています。映っているのは、遠くへ引っ越したばかりの友達。見慣れないカフェで、楽しそうに笑っています。幸せそうに見えますね。でも、なんだか変な気持ち。物理的な距離だけじゃない、心の距離を感じるんです。彼らがゆっくりと drift away(離れていく) のを見ているような気がします。
英語の教科書には、「away は単に「距離」を表す」と書いてあるかもしれません。でも、それは嘘です。away はただの距離じゃない。ベクトルなんです。「ここ」から「ここではない場所」へ向かう矢印。まさに「消えていくこと」を表現する言葉なんです。
away の一番基本的な使い方は、物理的な「出発」です。「去る」という動きの原動力。ある地点から別の地点へ、はっきりとした移動が見て取れます。
She packed her bags and walked away.
彼女は荷物をまとめ、立ち去りました。
Please put your phone away during dinner.
夕食中はスマホをしまってください。
The sound of the music slowly faded away.
音楽の音がゆっくりと消えていきました。
He was so focused on work, he let the whole summer slip away.
彼は仕事に集中しすぎて、夏が丸ごとあっという間に終わってしまいました。
away が持つ「消滅」の力
ここで「裏ワザ」を教えましょう。out や off といった他の副詞は「行動」を表します。でも away が表すのは「結果」です。その結果とは「不在」なんです。
ゴミを throw out(外に出す)する場合、それは「中から外へ移動させる」という行動です。ゴミ自体はまだ存在しています。でもゴミを throw away(捨てる)する場合、焦点は「あなたの生活から永久に排除すること」にあります。あなたはそれを「消滅させた」んです。
日本語の「捨てる」は、この `throw out` と `throw away` の両方のニュアンスを含むことがあります。英語では、この2つが明確に使い分けられているのが面白い点ですね。
away には独特の感情的な重みがあります。それは「もう戻れない地点」を意味するからです。大切な人が passes away(亡くなる)とき、彼らはただ「外に出る」わけではありません。彼らはある境界線を越え、永久的な不在の状態に入ったのです。秘密を give away(漏らす)したら、もう取り戻せません。その情報は、あなたの管理下から永久に離れてしまったのです。
これが away の持つ力です。ただ空間を作るだけではありません。何か、あるいは誰かが「もう手の届かないところにいる」ことを確定させるんです。何かが水平線の向こうへ消え、二度と見えなくなる瞬間を表現する言葉なんです。
覚えておくべき「黄金のルール」はこれです。away を「距離」だと考えないでください。それは「消滅」行きの片道切符だと考えてください。出発が「完了した」ことを確定させる動詞の副詞なんです。
`Just go away and leave me alone.`[TRANS]
あっちへ行って、私を一人にして。