スマホのカメラロールを遡っていると、先週のブランチ、先月のライブの写真をスワイプして、ある一枚にたどり着きました。それは3年前の写真。髪型も、住む街も、人生も全然違う。
あなたはその時、「この出来事は過去に起こった」とは考えないはずです。その「距離感」を肌で感じるんです。
教科書では、英語の時制は「時間」を表すものだと教えられます。過去、現在、未来。これは嘘です。いや、少なくとも真実の10%に過ぎません。
英語の時制はタイムラインじゃない。GPSなんです。いつ起こったか、だけじゃない。今のあなたから見て、どこにあるのか、その正確な位置を教えてくれます。測っているのは、たった2つのこと。距離感と、動き。
この2つの設定をマスターすれば、時制のシステム全体をマスターしたも同然です。
最初の設定 : 距離感(ズームレンズ)
距離感は、出来事がどれだけ近く感じるか、ということ。遠い昔の、もう終わった話? それとも、今のあなたに直接つながっていて、すぐそこまで迫っている話?
これが、Simple Past(単純過去)とPresent Perfect(現在完了)の違いです。
Simple Pastは、地図にピンを刺すようなもの。出来事は「あそこ」にある。もう終わった。感情的なつながりはない。
I lost my keys yesterday.
昨日のことだけど、鍵をなくしました。
I've lost my keys.
鍵をなくしてしまいました。
2つ目の設定 : 動き(写真 vs. 動画)
「動き」は、ある一点の時間を描写しているのか、それとも進行中の動作を描写しているのか、ということ。静止画を見せているのか、それとも動画クリップを再生しているのか?
これが、Simple形とContinuous形の違いです。
Simple形は写真のようなもの。完結した動作や、ある一点の瞬間を切り取ります。スナップショットですね。
When I got home, she made dinner.
私が家に帰ると、彼女は夕食を作った。
When I got home, she was making dinner.
私が家に帰った時、彼女は夕食を作っているところだった。
感情のGPS
ここからが、誰も教えてくれない話です。ネイティブスピーカーは、このシステムを使って、社会的な距離感や感情的な重みを管理しています。しかも、ほとんど無意識のうちに。
誰かがミスを軽く見せたい時、彼らはそのミスを遠い昔の、もう終わった出来事として表現します。 I sent the wrong file.(間違ったファイルを送ってしまいました)Simple Pastは、そのミスを遠ざけ、限定的で過去のことのように感じさせます。その問題に終止符を打ちたい、という試みなんです。
ここで言う「close the book on the problem」は、問題に決着をつける、もうその話は終わりにする、といったニュアンスです。英語圏では、過去の出来事として処理することで、感情的な負担を軽減しようとすることがよくあります。
でも、もしその結果が今も生きていて、混乱を引き起こしているなら、相手はそれを現在に引き戻します。 So, you're saying you've sent the wrong file, and the client is calling me right now?(つまり、間違ったファイルを送ったせいで、今すぐクライアントから電話がかかってきてるってこと?) Present Perfectは、過去の行動が現在の緊急事態の原因であると強調します。そのミスを「過去の出来事」として終わらせることを拒否するんです。
これは単なる文法ではありません。現実の「交渉」なんです。一方は話を終わらせようとし、もう一方は話はまだ続いている、と主張している。
黄金ルールはこれです。「いつ起こったか?」と聞くのはやめて、「今とどれだけつながっているか?」そして「スナップショットなのか、それともシーンなのか?」と問いかけてみてください。あなたは事実を分類する歴史家ではありません。観客に感じてほしいことを感じさせるために、ぴったりのレンズと動きを選ぶ映画監督なんです。
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`The sun rises in the east.`
事実、習慣、状態を表します。 | 太陽は東から昇ります。
`I am writing an email.`
今まさに起こっている動作(動画)を表します。 | 私はメールを書いています。
`She has finished the report.`
過去の出来事が現在につながっていること(現在への線)を表します。 | 彼女はレポートを終えました。
`We have been waiting for an hour.`
過去に始まり、今も続いている動作を表します。 | 私たちは1時間待っています。
`They visited Paris last year.`
過去に完了した動作(地図上のピン)を表します。 | 彼らは昨年パリを訪れました。
`He was sleeping when the phone rang.`
過去のある時点で進行中だった動作(過去に再生されていた動画)を表します。 | 電話が鳴った時、彼は寝ていました。
`The train had already left by the time I arrived.`
過去の別の動作よりも前に起こった動作を表します。 | 私が到着した時には、すでに電車は出発していました。
`I had been working there for five years before I quit.`
過去の別の動作よりも前に進行中だった動作を表します。 | 私は辞めるまで、そこで5年間働いていました。
`I will call you tomorrow.`
未来の計画や予測を表します。 | 明日あなたに電話します。
`This time next week, I will be relaxing on a beach.`
未来の特定の時点で進行中である動作を表します。 | 来週の今頃は、ビーチでくつろいでいるでしょう。
`By 2030, I will have graduated from university.`
未来の別の時点までに完了する動作を表します。 | 2030年までには、私は大学を卒業しているでしょう。
`In May, she will have been studying for two years.`
未来のある時点まで継続する進行中の動作を表します。 | 5月には、彼女は2年間勉強していることになります。