めちゃくちゃ大変な会話を終えたばかり。友達に、聞きたくないことを伝えなきゃいけない状況だった、とか。
そのあと、別の友達からメッセージが届きました。「That was brave of you.(よくやったね、勇敢だったね)」
これ、めちゃくちゃ気持ちいいですよね。あなたの「人柄」そのものへの、ストレートな褒め言葉です。
でも、もし相手から「That was a brave conversation for you to have.(君にとって、あれは勇敢な会話だったね)」とメッセージが来ていたらどうでしょう?
なんか…ちょっと違和感、ありませんか?ポジティブなのは変わらないけど、もう「あなた」じゃなくて、「会話」そのものに焦点が当たっていますよね。
ほとんどの参考書は、これを「ただのランダムな文法ルール」として片付けます。でも、それは間違い。実はこれ、英語圏でめちゃくちゃ強力な「人間関係のコード」なんです。そして、その秘密はたった2つの単語に隠されています。そう、forとofです。
カメラのレンズをイメージする
あなたの文章をカメラだと思ってください。forとofは、そのカメラの「ピント」をどこに合わせるかを決めるんです。
forを使うと、カメラのピントは「状況」「タスク」「文脈」に当たります。その状況を経験している「あなた」は、あくまで「観察者」という立ち位置。課題は、あなたの外側にある、というニュアンスです。
一方、ofを使うと、カメラのピントは直接「人」に当たります。その人の「性格」や「行動」そのものを評価するんです。その性質は、その人の「内側」にある、という感覚です。
これは単なる文法ルールじゃありません。天気について話すのと、誰かの「魂」について語るくらい、大きな違いがあるんです。
It is important for you to finish this report.
このレポートを終わらせることは、あなたにとって重要です。
It was generous of you to pay for dinner.
夕食代を払ってくれて、あなたは気前がよかったですね。
優しいフィードバックと厳しいフィードバックの極意
ここからが、このコードの真骨頂です。この違いをマスターすれば、フィードバックの仕方、人間関係の線引き、そして共感を示すための「裏ワザ」を手に入れたようなものです。
forを使うとき、あなたは「人」と「問題」を切り離しています。相手にとって安全な空間を作り出すんです。「この状況は大変だね、それがあなたに影響しているのがわかるよ」と伝えることで、協力的な姿勢を示すことができます。
一方、ofを使うと、その人が「どんな人物か」について直接的な意見を述べることになります。これは、最高の賛辞にもなれば、最も厳しい批判にもなり得ます。一切の解釈の余地を与えません。
だから、上司が「It's going to be challenging for you to lead this new team.(この新しいチームを率いるのは、あなたにとって大変なことだろう)」と言うのは、相手をサポートする言葉なんです。外的な困難を認めているわけですから。
日本語では、直接的に相手の性格を褒めたり批判したりする表現は避けられがちです。状況や努力に焦点を当てることで、より円滑なコミュニケーションを図ることが多いですね。
でも、もしパートナーが「It was selfish of you to ignore my call.(私の電話を無視するなんて、あなたって身勝手ね)」と言ったら、これはもう直球のパンチです。身勝手さは状況にあるのではなく、「あなた」という人の特徴そのものだと断言しているわけですから。
It was rude of him to check his phone during our conversation.
私たちの会話中に彼が携帯をチェックしたのは、失礼なことでした。
This is a confusing map for me to read.
この地図は、私には読むのが難しいです。
for vs. of : 人格か、状況か。評価のエンジン
じゃあ、結局何が起こっているんでしょう?あなたは「責任」をどこに置くかを選んでいるんです。
forを使うとき、あなたは感情(難しい、重要だ、ワクワクするなど)の原因が「状況」にある、と伝えています。人はただそれを経験しているだけ、というニュアンスです。文の構造は通常、「It is [adjective] for [person] to [action]」となります。焦点は、その「行動」と、それが持つ性質に当たります。
ofを使うとき、あなたは感情の原因が「その人自身の性格」にある、と伝えています。その行動は、彼らの内なる本質の単なる表れに過ぎない、というわけです。文の構造は「It is [adjective] of [person] to [action]」となります。焦点は、完全にその人自身に当たります。
これこそが、英語における評価の隠されたエンジンなんです。forは「状況」に焦点を当てることで、距離感と共感を生み出します。ofは「性格」に焦点を当てることで、強烈さと親密さを生み出す。例えるなら、一方は「ゲーム」へのコメント、もう一方は「プレイヤー」へのコメント、というわけです。
ゴールデンルールはシンプルです。forは「共有された外的な現実」を描写するために使う。ofは「個人の内的な現実」を描写するために使う。これをマスターすれば、あなたはただ英語を話す人から、英語を「操る」人へとレベルアップできるでしょう。
関連語彙の完全なリストを見る
It was brave of you to speak up.
勇敢な、勇気がある | 意見を言うなんて、あなたは勇敢でしたね。
It was kind of you to help me.
親切な、思いやりのある | 手伝ってくれて、あなたは親切でしたね。
It was generous of you to share your notes.
気前の良い、寛大な | ノートを共有してくれて、あなたは気前がよかったですね。
It was stupid of me to forget my keys.
愚かな、ばかげた | 鍵を忘れるなんて、私は愚かでした。
It was selfish of him to take the last piece.
身勝手な、わがままな | 彼が最後のピースを取るなんて、身勝手でした。
It was rude of them to interrupt.
失礼な、無礼な | 彼らが邪魔をするなんて、失礼でした。
It's hard for me to learn programming.
難しい、困難な | 私にとってプログラミングを学ぶのは難しいです。
It's easy for her to make new friends.
簡単な、容易な | 彼女にとって新しい友達を作るのは簡単です。
It's important for us to be on time.
重要な、大切な | 私たちにとって時間通りに着くことは重要です。
It's necessary for you to have a visa.
必要な、不可欠な | あなたにとってビザを持っていることは必要です。
Is it possible for you to work late tonight?
可能な、できる | 今夜、あなたが残業することは可能ですか?
It's rare for him to miss a deadline.
珍しい、まれな | 彼が締め切りを逃すことは珍しいです。