初デートは順調です。会話は弾み、ジョークもウケて、しばらくぶりに「どこから逃げ出そうか」なんて考えていません。そんな時、店員さんがテーブルに伝票を置きました。場の空気が一変します。
欧米、特にアメリカでは、初デートで誰が支払うかは、ちょっとした駆け引きや気まずい瞬間になりがちです。最近は伝統も変わりつつあり、決まったルールはありません。
デートの相手が先に伝票を手に取ります。相手は I'll get this one(ここは私がおごるよ) と言います。あなたは割り勘を提案しますが、相手は譲りません。Just get the next one, or you can pay me back for your half later.(次は君が出してくれればいいよ、それか後で半分払ってくれてもいいし) と。
この瞬間は、お金だけの話ではありません。バランス、義務、そして見返りの問題です。pay という言葉が持つ世界のすべてが、このたった一つのやり取りに凝縮されています。そして、あなたがマスターすべきは、たった2つの表現だけです。それが pay back と pay off です。
取引 - pay back
pay back はシンプルです。ブーメランのようなもの。何か(お金や恩義)を差し出したら、それがそのまま自分に戻ってくることを期待します。未解決のループを閉じ、バランスを取り戻すことなのです。
この取引は常に、少なくとも2人の間で行われます。Aさんが与え、Bさんが pays back(返します)。この「借り」は外的なものです。
投資 - pay off
ここからが面白いところです。pay off は、誰かに何かを返すことではありません。投資がついに結果を生み出すこと。この「借り」は内的なもの、つまり過去の自分や、自分の努力に対するものです。
種を植えるのをイメージしてください。何ヶ月も水をやり(努力)、水や種に何の借りもありません。花が咲くのを待っているだけです(結果)。花が咲いた時、あなたの努力が paid off(報われた)のです。
ラスボス - 金銭的な借り vs. カルマ的な借り
ここに暗黙のルールがあります。pay back は、他人との借り(負債)を清算するためのもの。pay off は、宇宙や過去の自分との借り(負債)を清算するためのものです。
誰かに pay back(返済)する時、あなたはマイナスを消し去っています。ゼロに戻るのです。努力が pays off(報われる)時、あなたはプラスを生み出しています。以前は存在しなかった新しい現実を創造しているのです。一方は秩序の回復、もう一方は勝利の達成です。
つまり、黄金律はシンプルです。自分に問いかけてみてください。「その借り(負債)は、誰か個人に負っているものですか?」 もしそうなら pay back を使います。「その『借り』は、自分の時間、努力、リスクといった投資が、ついに報われようとしているものですか?」 もしそうなら pay off を使います。
Let's settle up for dinner; I think I owe you about $30.
夕食代を清算しましょう。30ドルくらい借りがあると思います。
The company will reimburse you for all travel expenses.
会社がすべての出張経費を払い戻します。
We all chipped in to buy our boss a retirement gift.
私たちは皆でお金を出し合って、上司の退職祝いを買いました。
Don't worry about the coffee, I'll cover it.
コーヒー代は気にしないで、私が払います。
We didn't make a profit, but we managed to break even.
利益は出ませんでしたが、なんとか収支トントンでした。
After years of planning, her dream of opening a cafe finally came to fruition.
何年もの計画を経て、彼女のカフェを開く夢がついに実現しました。